
- 加辺晴彦様
財団法人日本ダウン症協会
専務理事
◆ 財団法人日本ダウン症協会
人間には23組・46本の染色体がありますが、ダウン症者には21番目の染色体が3本あります(大半がこの型)。染色体は大変多くの情報をもっていますので、その一部が変化したことで、先天性心疾患などを合併したり、いろいろな症状が現れることがあります。どの国にも約1,000人に1人の割合で生まれます。 財団法人日本ダウン症協会は、ダウン症をもつ人たちとその家族、支援者でつくる会員組織です。全国規模で活動を続けてきた「こやぎの会」(1963年発足)と「(財)小鳩会」(1964年発足)が中心となり、1995年に任意団体「日本ダウン症協会」が発足。2001年4月より財団法人となりました。全国に約50支部、会員約5,600名を有しています。
- ▼ 財団法人日本ダウン症協会のHPはこちら
- http://www.jdss.or.jp/
どのような活動されていますか?
JDS(日本ダウン症協会の通称:Japan Down Syndrome Society)の活動の大きな柱は、全会員に向けて毎月一回、会報「JDSニュース」(B5判・24ページ)を発行することと、ダウン症のお子さんをもつ親や支援者などからの相談に対応する相談活動です(経験豊富な先輩の母親たちが電話・FAX・メールで対応)。
JDS発足前には、全国規模で活躍を続けてきた二つの親の会がありました。それらを中心にして各地の親の会に参加を呼びかけて、1995年に任意団体として「日本ダウン症協会」が発足しました。財団法人になったのは2001年です。
組織的には、理事15名・評議員27名・相談員77名で構成されています(全国規模で)。理事会の中に、事業企画・広報・相談調査・成人期・権利擁護の5つ委員会があり、それぞれに担当理事が中心になって委員とともに活発に活動しています。
具体的な活動としては、前述の二大柱以外に、全国大会・ブロック大会の開催、親と支援者対象の全国巡回セミナーと専門職対象の成人期対応セミナーの開催、ダウン症に関する小冊子の発行、ホームページでの啓発活動などがあります。さらには、地域の親の会支援、国や行政への働きかけ、海外との交流などもあります。
ユニークな事業としては、日本自転車振興会の補助を受けて1998年から実施している「ダウン症児・者の自転車教室」というものもあります。
本当にさまざまな活動をされているのですね。
こうして挙げてみると、確かにそうですね。これはすでに終了している事業ですが、2000年から年1回、6回にわたって開催した「ダウン症児者の芸術創作活動」が大きな広がりをみせました。それまで全国大会などを開催する中で、ダウン症をもつ人たちは、音楽・絵画・織り物・ダンスなど、芸術面で秀でているところがあることが分かってきました。そのような特徴を通して一般の方々がダウン症をもつ人への理解を深めてくださることを願って、多くの方を巻き込んでこの事業を実施しました。
第6回(2005年)は「さをり織り」の展覧会でした。これは、カラフルな各種の糸を使って、自由にデザインして織るものです。ダウン症児者は、色や素材に対してとても敏感で独特な美意識をもっていますので、アーティスティックな作品が数多く展示できました。
第3回(2002年)はダンスイベントでした。ダンススクールのインストラクター(牧野アンナさん)が中心になって全国4箇所で事前にダンスレッスンを行い、横浜に集合してパワフルなステージを披露しました。それがきっかけで、牧野さんはダウン症児者を対象にしたダンススクールをつくることを決心し、大会後2ヶ月で始められました。それが、今年もダンスライブに出演する「LOVE JUNX」(ラブジャンクス)です。
このダンスライブは、2004年に世界ダウン症連合により3月21日が「世界ダウン症の日」と制定されたことを記念して行われているイベントです。3月21日というのは、ダウン症者の「21番目の染色体が3本ある」という特徴(ほとんどがこの型)から決まりました。
ダンスライブ「ONE+LOVE WORLD」は、2006年から始まって今年で3回目になります。今年は、大阪(3/20 木・祝)・東京(3/23 日)・沖縄(3/30 日)の3会場で開催されます。
それに加えて、今年は別の組織により、3月2日に名古屋でダンスイベント「Value Creation vol.1」が開催され、スタッフを含め総勢約1,500人が盛り上がりました。ここには、ダウン症児者を含む知的障害者のダンスグループ「mixjam」が参加しました。
「LOVE JUNX」が参加する「ONE+LOVE WORLD」には、有名なグループも出演されていますね。
そうですね。アーティストの方との交わりは「PaniCrewさん」が初めでした。それから次々と、いろいろなアーティストの方たちが参加してくださっています。
プロのアーティストのダンスを見ると、ダウン症の方たちも「頑張って踊ろう!」という気持ちになりますよね。
かっこいいもの、きれいなものには、すごく憧れるんですよね。踊りが上達するにつれて、服装も影響されて、だんだんおしゃれになってきています。
みんな同じではないでしょうか。スタイルを真似するのではなく、自分自身が「そういうふうにしたい」という気持ちになることが、とても大事だと思います。その部分では、いいきっかけになっているのではないでしょうか。
だれしも得意不得意がありますから、楽しむだけでいいという子もいれば、ダンスが得意だからもっともっとステップアップしたいと思う子もいます。
「LOVE JUNX」が行っているダンスライブの1回目の頃と今とでは、まったくレベルが違うんです。昨年で5回目になりましたがはるかにレベルアップ! それだけみんなに力があるということが伝わってきますし、本人たちが自覚しながら“魅せる・好き”という意識がすごいと思います。上手い下手ではなくダンスをきっかけに自立心が芽生えたりして、内面的な変化がみられる人もいます。
親やきょうだいとの時間だけではなく、そうでない人たちと関わりをもつ時間が増えるということで、本来の姿が見えてくることもあります。いろいろな意味で大きな広がりが実感でき、芸術創作活動としてダンスを取り入れたことは正解でした。
雑誌で、ダウン症の方が通うアトリエの記事を拝見したこともあります。
絵画や書、ダンスやバレエ、演劇など、芸術やパフォーマンス関連の活動は、全国で数多く展開されています。スポーツでは、水泳・サッカー・バスケットボール・体操・スキーなど、理解ある指導者によって本当に多くの種類の活動ができるようになりました。レスリングやウインドサーフィンまであるんですよ。
「リボンマグネット」についてはご存知でしたか?
はい。バイクと車を運転していて、ここ1年くらいよく見かけます。
私は犬を飼っていまして、ゴールデンレトリバーのリボンマグネットを車に貼っています。
携帯にもリボンステッカーを貼っています。
リボンマグネット誕生の経緯を読みましたが、アメリカでは黄色いリボンが初めにあったように、日本でも“願をかける”ときに似たようなものがあるように思いますよ。
JDSでは、このリボンマグネットが、グッズとしては初めてのものになります。オリジナルでグッズを製作しようとすると相当なコストがかかってしまうので、そういう面ではM’sDSさんとの“協働”というのが、とてもいい方法だと思います。ダウン症のイメージを明るく爽やかにとらえてほしいですし、協働作業も楽しく行いたいですね。
最近は、いろいろな店舗でリボンマグネットを見る機会が増えてきていると思います。たとえ購入しなくても、それを見て、何を表しているリボンなのかを知ってもらえることだけでも大事なのではないでしょうか。
水戸川 : ダウン症のことを知らない方は、まだまだたくさんいらっしゃいます。これが現実で、より多くの方に知っていただくためには継続的な努力が必要だと思っています。
小さい頃にダウン症の子と触れあったり、つながりがあれば認識もありますが……。ただ「ダウン症」といっても、一人ひとり違うので、理解するまでには時間がかかります。性別や肩書きなどに関係なくその人がどういう人か、個人個人を見る姿勢を多くの人がもつようになれば、世の中が変わっていくと思います。
ダウン症者は世界中に、人種や国の区別なく1,000人に1人の割合でいるといわれています。「“ダウン症”というパスポートを得たと思えば、世界中に仲間ができたと思えるからいいじゃない」という言葉を聞いたことがありますが、この数字を見れば納得できますね。
ダウン症リボンマグネットの反響はいかがですか?
配色がJDSのロゴと同じで、とてもはっきりしていて、爽やかなイメージでいいですね。台紙のデザインも気に入っています。このリボンマグネットを見た人たちには大好評! 私は、真ん中のハート部分を取ってリボンの横に貼っています。
大阪・東京・沖縄で開催される3.21「世界ダウン症の日」を記念したダンスライブの会場で販売しますので、多くの方に手に取っていただき、購入していただけたらと思っています。
ダンスイベントに向けてのメッセージをお願いします。
今年で3回目になる日本での「世界ダウン症の日」関連のダンスライブで、ダウン症をもつ人たちのいきいきとした姿を観ていただき、生きるパワーを感じ取ってもらえたらいいなと思います。同じ時・同じ場所で、同じ目線に立って、垣根を越えてみんなで体験を共有することで、そこから何かを感じてもらえたらいいなと思っています。
3月21日が「世界ダウン症の日」だということを知ってもらうこと、そして、このイベントを通じてダウン症について知っていただくこと、ダウン症をもつ人たちをより一層理解していただくことを心から願っています。
最後に、リボンマグネットについてメッセージをお願いします。
社会貢献の一つの方法として、また、インフォメーションの仕方として、リボンマグネットは今の時代にマッチしていると思います。このダウン症モデルによって一人でも多くの方に「ダウン症」を認知していただければと思います。

